健康が問い直される時代

近ごろでは、心得顔で病気の治療法や健康法についてしゃべる人が多くなりました。


その痛みなら、その症状ならこの方法がいい、このくすり、あの体操がいい、転地療法がいいと引きも切りません。


そんな人たちは医療制度の欠陥についてもよく知っています。


医療費の異常な高騰はだれの目にもあきらかですが、それにもまして、治療法そのものに欠陥があるのではないかという空気がひろくいきわたっています。


事実、現代医学は危機に直面していますが、その背景をなす理由は、多くの人が考えているものとはかなりちがうようです。


なにがちがうのでしょう?


このあいだ、ある男が45年ぶりにわが家をたずねてきました。


約半世紀前に診た覚えのある患者です。


第ニ次世界大戦の直後に、復員して間もなくわたしに助けをもとめてきた患者で、医師から当時の用語でいう「神経衰弱」の診断を受け、「ぼろぼろだね」といわれたということでした。

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