ごみ問題と住民

ごみ処理は、収集が無料だからといってけっしてタダではありません。


さらにこの種の行政サービスは住民のためといいながら、かえって企業や業界のためとなっていたり、使い捨ての製品を助長しかねないのです。


・・・だとすれば、リサイクルトナーのような真に住民のための行政サービスとは何なのでしょうか。


さらにいえばこれからは、「住民ニーズに応える行政サービス」という考え方を超えて、ニーズそのものを減らす、制御するという発想を強めていってはどうでしょうか。


たとえば、将来、500トンのごみ収集量が予想されるのであれば、これを与件としたごみ処理施設を整備するのは止むを得ないものの、願わくは500トンを400トンに減らすくらいの政策が望ましいでしょう。


この点からいって、東京都や川崎市などの「ごみ10%削滅」作戦は、興味深いものがあります。


このような、行政ニーズそのものを制御するという発想は、たとえば老人問題に眼を向けると、病気や寝たきりになる老人のニーズに応じて医療施設や老人ホームを整備しなければならないものの、他方では保健・予防事業・・・


つまり高齢者が病人や寝たきりになること自体を滅らすことも重要であるという点と似ています。


また、この発想は、道路の渋滞を緩和するには道路建設のニーズに応えざるをえないものの、鉄道などの大量輸送手段を思い切って整備するなどして、自動車が増えること自体を抑制しなければならないことと同じなのです。

期待されない女子社員 8

日本的経営の中でも、少数とはいえ女性の管理職や経営者もいます。


これらの"キャリア・ウーマン"はどういう地位、立場にあるのでしょうか。


私の手元に「婦人の方針決定参加状況調査」(1979年)があります。


総理府の婦人問題担当室が、東京、大阪、名古屋の各証券取引所に上場する資本金5億円以上の会社(1653)と、特殊法人(111)を対象に、課長職相当以上の役職についている女性について調査したものです。


これによれば、上場会社においては課長職以上のポストについている人のうち、女性は実に0.1%、特殊法人はやや多いというものの、1.2%にすぎません。


調査対象となった上場会社で働いている女性が少ないかといえば、決してそうではないのです。


従業員総数の約4分の1、25.6%は女性なのです。


たとえば、金融保険業などでは女子社員が43・7%を占めています。


銀行の窓口でも、オンラインのコンピュータ部門でも、保険会社の外交員としても、女性は数多く働いているにもかかわらず、課長以上ということになると0.3%という状況です。


従業員のうち女性が87.6%を占め、まさに「女の職場」であるサービス業においても、課長以上となると女性の比率は0.5%にすぎません。


逆にいえば、サービス業にたずさわる会社には、男性は1割余りしか働いていないのに、課長以上では9割9分以上が男性なのです。


女子従業員で1万人に1人しか課長以上はいないのに、男子従業員では100人に15人が課長以上というわけです。


男性が課長になる比率は、女性が課長になる比率のざっと1500倍にも達します。


女性が登竜門を越えて、竜・・・管理職になるのは男性以上に難しいのです。

期待されない女子社員 7

日本のように教育の上でも、社会的階層の上でも均質化がすすんでいる社会では、単純な労働をまかせる安価な労働者と、高度な仕事をまかせる労働者を選別する上で、性は最も単純でわかりやすい記号と考えられているようです。


しかし、女子の大量進出にともなって、個別女子社員間のモラル、昇進意欲などはより分散してくると考えられます。


性という形式的な記号だけでは選別しきれない事態が、早晩訪れることは目にみえています。


年功序列、終身雇用も、組織が拡大を続け、従業員の年齢構成がピラミッド型となる高度経済成長時代には、賃金コストを引下げ、熟練労働者を確保する上で大きな威力を発揮しました。


組織が拡大を続けているので、ポスト配分にも苦労は少なかったのです。


しかし現在のように経済成長が停滞し、新規学卒者の採用が頭打ち、あるいは減少をはじめると、人件費の増大のみならず昇進スピードの鈍化による成員のモラル低下も予想されます。


日本的経営は今大きな転換期にさしかかっているといえます。


このような転換期を迎えて、日本の経営者は選択定年制、専門職の確立、アドホック(臨時)なプロジェクトチーム方式の導入など、新しい方式を模索しています。


旧来の単純な年功序列、終身雇用体系ではやっていけなくなったからです。


国際化時代を迎えて、日本的経営はその高い評価が定まった今日こそ、内側からも外側からも再検討が迫られており、女性に対しても、単なる性という選別記号によらない、より個人差、能力差に即応した新たな位置づけが必要とされているのではないでしょうか。


それが、硬直化しようとしている日本的経営にも新たなる息吹きを送ることになると考えられます。

期待されない女子社員 6

何が彼女たちをそうさせるのでしょうか。


日本的な企業に勤続しているうちに、自分たちが現在のみならず将来とも責任ある地位を与えられないだろう、ということを理解するからです。


同じくこの「働くことの意識調査」で、彼女たちが将来どのポストまで昇進できると思っているかをみると、社長、重役、部長、課長いずれも0・5%前後であり、一般職(ヒラ社員)が3割、どうでもいいが54%となっています。


日本的経営におけるインセンティブは金銭的報酬ではなく、ポストであり序列ですが、女子社員は昇進への希望をまったくもっていない(もち得ない)のであるから、それを求めて一生懸命働くということがほとんどなく、競争圏外の気楽な労働力にとどまっているのです。


このように、日本的経営において女性は周辺的存在として位置づけられてきていますが、今後女性の職場への進出が続くとどうなるでしょうか。


保育所の整備、育児休業の普及、週休2日制など、女性が勤続しやすい体制が整備され、家計のサイドからは妻の勤続が望ましいということになると、女性の勤続年数が伸長することは避けられない傾向でしょう。


その時に相も変らず、女性を排除した雇用管理体系、人事管理が維持されたとすると、モラルの低い女子社員は、賃金より相対的に低い生産性しかあげないということになります。


これは、企業自身にとっても決してプラスとはいえないでしょう。

期待されない女子社員 5

このような職場の地位の低さと勤続年数の短さを反映して、女子の平均賃金は所定内給与で男子の58・1%であり、年功賃金体系のデメリットを若年者とならんで一手にひきうけています。


したがって皮肉な見方をすれば、表向きは女子社員は勤続年数が短い、昇進への意欲が少ないと人事管理者は嘆くけれど、現実には女子社員の勤続年数が短いことによって、企業は人件費の上では大いに節約できるというメリットを得ているのです。


しかし、盾の裏側昇進へのインセンティブの欠如は、企業への帰属感の欠如、モラルの低下をもたらしているのも事実です。


日本生産性本部が毎年、新入社員および入社後2~3年たった社員を対象として行なっている「働くことの意識調査」でみると、社員の勤労意欲は男性と女性ではかなりの差があります。


たとえば、今後の生き方は「仕事中心」で、働くのは「人並み以上に」というモラルの高い者は男子に多く、「生活中心」にとか、「人並みに働けば十分」というモラルの低い者が女子には多いのです。


しかも、新入社員と入社後2~3年の在社員を比較してみると、男子では入社後年を経た者の方が新入社員より勤労意欲が高いが、女子は逆にベテラン社員の方が新入社員より勤労意欲が低くなっています。

期待されない女子社員 4

採用された後も、「筋力、体力を必要とする」分野に配置しないのは仕方がないとしても、「高度の技能を必要とする」「外部との接触が多い」「外勤出張などが多い」分野へも、女子をまったく配置していない企業が9割以上を占めています。


その結果、初任給からして賃金に差がみられることとなります。


教育訓練についても男女同一に行なっている企業は少なく、女子向きの訓練を男子と別途行なっている企業が目立っています。


また、配置転換も幹部養成のための広い意味での教育訓練とみなされますが、女子の場合は、定期的には行なわれることが少なく、とりわけ転居を伴うような配置転換は行なわないのが普通です。


これは女子に対する保護ではありますが、半人前に扱われているという証拠でもあります。


また、女子にも管理職手当、役付手当が支給される役職への機会がある企業は47・7%にすぎません。


しかもその内訳をみると、係長どまりが約4割、課長相当までというのが3割弱で、部長相当以上の役職も可能という企業は全体の5%にすぎないのです。


しかも、現実にそういう管理職についている女子社員の割合は、その機会があると答えた企業の割合を大幅に下回っています。

期待されない女子社員 3

高卒では男女の差がありませんが、大卒では男女の差が大きいという傾向は、従業員規模1000人以上という大企業でよりはっきりみられます。


中小企業では男子大卒を幹部候補生としてリクルートするというルールが確立していないだけに、採用時における男女の差もそれほど明確にはみられないようです。


大卒で男子のみ募集した企業は、大卒女子を採用しない理由として、「大卒は幹部要員としての採用にきまっているため」「大卒を配置する職種は男子に限定しているため」とか、「他学歴の女子で間に合うため」と答えています。


たとえば、女子社員の割合が従業員の半数を占めている金融・保険業をみてみます。


この産業では高卒は男女とも採用、あるいは女子のみ採用という企業が合計で9割をこえますが、大卒となると、男子のみ採用という企業が6割近くを占めています。


女子は裾野の部分への参加だけがすすんでいる傾向が、はっきりうかがわれます。


このような企業の姿勢があるので、毎年就職シーズンともなると大卒女子の就職難が喧伝されるのです。

期待されない女子社員 2

もちろん女性でも10年、20年と勤続する人もいますし、男性でも3年、4年でやめる人もいます。


しかし、圧倒的多数の"典型的"男子社員は、定年まで勤続することを期待されるし、"典型的"女子社員は結婚や出産を機にやめるだろうと考えられています。


だから大卒、幹部要員としては採用されないし、そうでないグループから人材を発掘しようという努力も行なわれていないのです。


スチュワーデス、店員、交換手、銀行の窓口業務など、女性が大量に働く職種のあるところは大卒の女性も大量に採用しますが、そういう職種は往々にして袋小路で、経営の中枢まで昇進のルートはつながっていません。


昇進しても、女子社員のリーダー、現場の監督者として活用される程度に留まっています。


このような状態を端的に語っているのが、労働省の「女子労働者の雇用管理に関する調査」(1977年)です。


採用、昇進、教育訓練、配置転換などを通して人材を養成していく日本的経営において、男子社員と女子社員の処遇の差は歴然としています。


まず採用方針をみると、高卒については「男女とも採用」という企業が6割をこえて最も多く、男子のみ、女子のみという企業もほぼ同じ割合です。


ところが大卒となると、男子のみ採用するという企業が急に増加します。


男女とも採用するという企業でも、男子と女子では採用条件が異るという割合が大きくなるのです。

期待されない女子社員

日本的経営の大きな特色の1つは、内側の人間-正規の従業員と、外側の従業員には大きな格差があるところにあります。


また、内側の従業員の間でも、中心から外へ幾層もの層にわかれているところにあります。


このような幾層にもわけられた従業員のグループのうち、女子従業員はだいたい外側に位置づけられています。


もちろん、女子従業員にも正規社員はいる。毎年、新卒者の定期採用も行なわれています。


しかし、彼女達は男子の正規社員とは期待されている役割がかなり違うのです。


男子が年功を積み組織の内側へ昇進していき、しだいに権限と責任が大きくなるのに、一般の女子社員にはそのようなルートはほとんど用意されていません。


いわゆるOLの不満で1番ポピュラーなのは、同期に入社した男子社員が配置転換や訓練を通じて、だんだん責任ある仕事をまかされていくのに、女子社員は十年一日のごとく、雑用ばかりやらされて先に希望がもてないというのです。


これに対して、会社側はたいてい、「腰かけで働いている女子社員に将来回収する見込みのない教育投資などできない」というのがきまりです。


いつでも鶏が先か、卵が先かという議論が繰り返されます。

「○○公国」ってどんな国? その2

ところで、Dukeは公爵のことだから「公」というのも納得がいきますが、Princeがなぜ「公」になるのでしょうか?

普通は「王子」ではないのか。

この場合のPrinseは、principal(第一の、筆頭の)というもともとの意味に基づいています。

一国の筆頭、首長、主権者という意味で、王子の意味のPrinseとはちょっと違います。

ここで、もう一つの疑問・・・。

一国の君主なのに、なぜKingではないのか?

これは、簡単に言えば、Kingを名乗りにくい事情があるためです。

たとえば、モナコ公国の場合は、そのロケーションからも想像がつくでしょうが、長くフランス王国の従属国であり、フランス国王と同じレベルの称号を名乗ることは許されなかったのです。

そこで、Prinseと呼称するようになったわけですね。